バッテリーについて知ろう
「バッテリーは難しい」そう感じている方のために、バッテリーについて、その仕組みや働きを紹介します。
バッテリーがいかに大切で、日々酷使されているかわかるはず。バッテリーに対する関心や興味が増すこと間違いなしです。
目次
1.?仕組み
バッテリーはこうなっている。
バッテリーは、電解液の希硫酸と極板の鉛が化学反応を起こして電気を生み出します。言ってみれば、小さな箱の中にデリケートな化学物質を詰め込んだ実に繊細な機器なのです。
2.?バッテリーの表示
詳しくはこちらで紹介していますのでご覧ください。
3.?特性
バッテリーは使ううちに能力が落ちる。
使ううちに能力低下。そのうえでさらに酷使。
走行中に大量の電気を送り続け、使わない時でも電気を少しずつ送る。その中で充電・放電を繰り返したり、過充電を受けるうちに、極板などが劣化。バッテリーは使ううちに能力が落ち、寿命がやってきます。
夏
エアコンを効かせて、渋滞に巻き込まれて、トラブルへまっしぐら。
夏はエアコンを筆頭に電気消費量が増大する季節。気温上昇によってバッテリーにとっての悪環境が整ってしまう。猛暑であればなおさらだ。
冬
気温低下で、充電能力低下。始動時の電気負荷も増大。
気温が下がると・・・
①?化学反応が鈍り充電されにくくなるのでバッテリー能力が低下する。
②?エンジンオイルが固くなり、夏とは違う要因によって、バッテリーにかかる負担は大きくなる。
弱っていても酷使される。
・いろいろ、たくさん、使われる。走らなくても電気はなくなる。
・使えば使うほどバッテリーの力は落ちる。
・1年中使われる。夏や冬はもっと厳しい。
それなのにこんな風に追い打ち!!
・あまり距離を乗らず、ちょこちょこセルを回して電気を使い過ぎ。
・AT車は止まっていてもブレーキペダルを踏んでいる。ブレーキを使えばエンジンは低回転。おまけにブレーキランプで電気を使い過ぎ。
・めったに乗らなくて車庫に眠っていても、時計や電子メモリなどで電気は使われている。
・渋滞でのろのろ続き。充電弱く、エアコン、ヒーターで電気を使い過ぎ。
・夜はヘッドライト、エアコン、ヒーターでバッテリーフル稼働。
・フォグランプ、テレビ、充電器など電装品で電気の使い過ぎ。
この様にバッテリーは知らないうちに劣化していきます。
4.?寿命前の予防交換
寿命期の症状
・液面のばらつき
・液の濁り
・バッテリーの汚れ
・バッテリーの変形
・使用期限(2~3年)以上使用した
・セルモーターの回転が遅くなる
・比重のバラツキ
・走行中、ライトの明暗がある
・液減りが早い
・すぐあがる
・充電しても比重回復しない
など、バッテリーはいろいろサインを送ってくれてます。
比重と電圧測定による故障の判定
※比重計や電圧計はホームセンターやカー用品店などで購入可能です。
〇製造不良による故障は使用直後に発生するものがほとんどです。
〇全セル比重低下品は、通常バッテリーは正常であり充電量と放電量のアンバランスや負荷使用による放電が原因です。
〇長期間、低比重で使用すると性能低下を促進します。(過放電によるバッテリートラブルは、車に例えると、ガス欠と同じ状態です)
5.?日常点検
バッテリーを常にベストコンディションに保つためのサービスチェックポイントは次のとおりです。
①?バッテリーの外観
亀裂や著しい変化があるときはバッテリーを交換します。
汚れているときは清水で洗いよく乾燥させます。
②?液面
液面インジケータのアッパーレベルより著しい低下があるときは精製水を補充します。
メンテナンスフリーバッテリーでは寿命末期に近いことが多いので、電気量のチェックを行います。
③?電気量
バッテリーテスター又は比重計でバッテリーの電気量を調べます。
放電していたら充電を行います。
必要量の充電を実施しても充分なエンジン始動性能が得られない時はバッテリーを交換します。
④?端子
酸化・腐食又は汚れていたら清掃する。
⑤?取付金具
緩んでいるときは増し締めをします。
腐食していたら、修理又は交換を行います。
6.?バッテリーの交換手順
①?エンジン停止・ライト消灯
②?マイナス端子の取り外し
重要! 必ずマイナス端子から外します。理由は、プラス端子から外してしまうと、プラス端子取り外しに使っている工具が他の金属部分(ボディーなど)に触れたときに工具経由で大電流が流れ、思わぬ事故となります。
③?プラス端子の取り外し
④?バッテリーステーの取り外し
⑤?古いバッテリーの取出し
重要 傾けないように注意してください。もし、バッテリー液が漏れ出た場合、そのままにしておくと溶けたり変質してしまうことがあります。すぐに洗い流してください。
⑥?新しいバッテリーの固定
重要 傾けないように注意してください。もし、バッテリー液が漏れ出た場合、そのままにしておくと溶けたり変質してしまうことがあります。すぐに洗い流してください。
⑦?プラス端子の取り付け・端子絶縁カバーを取り付け
重要! 必ずプラス端子から取り付けします。理由は、マイナス端子から取り付けしてしまうと、後にプラス端子取り付けに使っている工具が他の金属部分(ボディーなど)に触れたときに工具経由で大電流が流れ、思わぬ事故となります。
⑧?マイナス端子の取り付け
⑨?セルが正常にスタートすることを確認し終了です。
最後に、最近のバッテリーは性能が悪いなどと言われていることがありますが、昔に比べ性能自体は上がっていると思います。ところが、今は車の方が何かと電気制御で電気を多く消費したり、燃費向上のために発電を制御する構造になっているので、バッテリーの選び方でも性能を発揮できないことがあります。昔は端子があっていれば使えましたが、今は充電制御対応や、アイドリングストップ対応など目に見えない違いもありますので、購入の際は販売店にご確認ください。正しい知識で正しく使えば長持ちするはずです。