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続 キャンピングカーは最強の防災グッズ説を検証する

少し前のブログでコロナ禍でキャンプブームが巻き起こっている減少を背景にキャンピングカーが増加しているという記事を書きました。それを立証するように高速のパーキングで多くのキャンピングカーを目にするようになりました。

乗用車やトラックのひしめくPAの駐車場でキャンピングカーの存在は目立ちます。

キャンピングカーはその名の通り場所を選ばずキャンプができる移送式生活空間ですが、防災グッズとしての有用性に触れたいと思います。

豊かな自然に恵まれた日本は、残念ながら地震・台風など自然災害も多い国です。

東日本大震災から10年経ってなお、今年2月に震度6強の「余震」(福島県沖地震)があった事は記憶に新しいところです。

どこに住んでいようとも災害対策は欠かせませんが、具体的に何を・どう備えれば良いのか悩むところです。

思い浮かぶのは食料や飲料水の備蓄、非常持ち出し袋の用意、避難場所の確認などだと思います。

最近のTVCMでは携帯用大型バッテリーが紹介されています。

その中で大切な要素、雨や暑さ寒さをしのいで、プライバシーを確保しながらゆっくりと休める点を考えますとキャンピングカーは「非常時のシェルター」として役立つ防災グッズであるといえます。

一般的に家屋が被災するなど危険な状況に陥ると、行政によって用意された避難所に身を寄せることになります。

しかし、10年前の東日本大震災は想定した以上の規模で、避難所が足りなくなる、という事態も発生しました。

避難所自体が被災してしまったケースもあります。

また、様々な理由から避難所に居ることが困難な人もいます(ペット連れや持病があるなど)。

そうした場合、車中泊を余儀なくされる人も少なくないのが実情です。

多くの方々が避難所の駐車場で乗用車に寝泊まりしているケースを映像で見た方もいらっしゃると思います。

乗用車ではシートを倒して仮眠はできても、何日にもわたって、生活の場とするには無理があります。

窮屈な姿勢で長時間過ごしたために、エコノミークラス症候群を発症、病院に搬送されたが死亡したという事例もあります。

これも災害関連死の主因のひとつと言えます。

その点、キャンピングカーは元来「寝泊まりする」ことを目的に作られてます。

横になって身体を伸ばせる広さがある。

座席を倒しただけのフルフラットレイアウトと違い、きちんと休めるように「平面」なベッドになっています。

実は車のボディにも大きな違いがあるのをご存知でしょうか。

見た目にはわからないが、キャンピングカーには断熱処理が施されたものもあり、たとえ外気が暑くても・寒くても、車内への影響を和らげる効果があるのです。

断熱=防音の効果もあるし、窓にはカーテンなどもあるので、プライバシーも確保できます。

体育館や公民館などの広間を仕切って暮らす、平均的な避難所の環境と比べれば、どれだけ快適かご想像いただけると思います。

特に「プライバシー」の確保は、非常事態が長期に及べば及ぶほど、重要なポイントになってきます。

暑さ・寒さもさることながら、人目を気にせずに安心して過ごせるスペースがあるかどうかは、避難生活のQOLを大きく左右します。

次に電機関連です。普通の車でもエンジンをかければ冷暖房や照明を使うことはできます。

しかし、逆を言えば、エンジンをかけなければそうした器具は使えないわけです。

災害時には燃料の確保も難しくなることを考えれば、あまり頼りにはならないと考えたほうがいいと思います。

過去には暖をとるために車内で火を使って、一酸化炭素中毒で亡くなったという痛ましいケースもあるほどです。

その点、キャンピングカーには走行用とは別に、生活用のサブバッテリーが搭載されています。

十分に充電されたサブバッテリーがあれば、エンジンに頼らずともある程度の空調や照明を使うことが可能です

。TVを見たり携帯電話を充電するなど、情報収集にも電気は欠かせないことも考える必要があります。

また、FFヒーターがついているキャンピングカーもあります。

FFヒーターは基本、車の燃料やプロパンを使うことが多いのですが、エンジンを回すよりもはるかに少ない燃料で安全に暖房が使えるようにできています。

最近はサブバッテリーに大容量のリチウムイオンバッテリーを採用したり、ポータブル電源を搭載する商品も登場しています。

こうしたシステムがあれば、数日間は電気をまかなえるし、ソーラー発電パネルを併用すればある程度長期の避難生活にも対応できます。

また、最近は空前のペットブームですが、避難所ではペットと一緒に生活することは難しいようです。

東日本大震災後の取材で多くの飼い犬たちが街をさまよっている画像を目にした方々も多いと思います。

いいことずくめのキャンピングカーですが、ただ「買っておけば安心」というものでは有りません。

いざという時の備えは普段の心掛けこそが大切であり、それはキャンピングカーとて同じなのです。

キャンピングカーを防災シェルターとして活用するために、ポイントが4つあります。

①燃料は満タンに

災害時には給油もままならなくなることが予想されます。遊びに行ったら、車庫に収める前に満タンに。
また、カセットコンロやキャンプ用ガスなどの備蓄量もチェックが必要です。

②食料、飲料水を確保する

防災上では「とりあえず3日間を自力でしのぐ」ことが大切です。

どんな環境でも、平均して3日しのげれば、何らかの救援が受けられるとされているためです。

そこで、キャンピングカーでも3日間を目安に食料や飲料水を搭載しましょう。

専用の非常食を用意しなくても、カップ麺やパックの白米など、すぐに食べられるものを多めに用意しておくことをお勧めします。

消費期限をチェックしておいて、期限が近づいたら家で食べて新しいものを補充する(=ローリングストック法)というやりかたをクセにしてしまえば、さほど手間はかかりません。

家族にアレルギー体質の人がいる場合は、対応した食料を多めに用意が必要です。

③トイレは大切

つい水や食料などにフォーカスしがちだが、衛生環境は人間の健康に直結します。

すべてのキャンピングカーにトイレが備わっているわけではないが、トイレがない車でも、コンパクトに収納できる「組み立て式簡易トイレ」を積んでおくことはできるはず。

旅先での「緊急事態」にも対応できるし、何より持っておくだけで安心なのです。

トイレがついている車でも、タンクの処理がしばらくできないことを想定する必要があります。

停電や断水のことを考えたら、水は貴重品。

できればタンクに貯める必要がない「非常用トイレ処理セット」もあわせて用意しておけば安心です。

④ペットケア用品も

ペット連れの場合には、フードなどのケア用品を準備しましょう。

避難所には水や食料、日用品など、さまざまな物資が届けられますが、残念ながらペット用のものはどうしても優先順位が低くなります。

 

「キャンピングカーは優秀な防災シェルターだ」という話をすると「気が引ける」「周囲の目が気になる」という声を聞きます。

「避難所で嫉妬されそう。」「自分たちだけ快適に過ごすのは居心地が悪い」という方もいらっしゃると思います。
確かに、災害に遭えば誰もが困窮します。

人の目が気になるのもわかります。

ですが、キャンピングカーあるからといって、後ろめたい思いをする必要は一切ありません。

第一に、キャンピングカーオーナーは、決して安価ではないキャンピングカーに「投資」をしているわけです。

遊びの車ですが、いざというときは役に立つ。

そこを見越して、お金をかけて防災グッズとして備えているなら、投資に見合ったメリットを享受して悪いはずもなく、ある意味、保険と同じだと考えればいい訳です。?

第二に、キャンピングカーの所有者がそれを使うことで、避難所側の負担が減るという点です。

家族でキャンピングカーに避難すれば、避難所にはひと家族分の余裕ができます。

食料や水、生活用品の支援物資も、キャンピングカーにいるからといって受け取れないということはない(指定避難所外避難者、という制度ができている)。

また、キャンピングカーでしっかり身体を休めて健康を維持できれば、医療に負担をかけることもなくなります。

あなたと家族が元気でいるだけで、医療、避難所インフラ、福祉など、限られたリソースを消費せずに済むことになるのです。

これまでは「被災したら避難所に入るもの」だと思われてきました。

しかし、度重なる大規模災害で、用意した避難所インフラだけでは賄いきれないことも事実です。

そのため行政も、車や倒壊の危険がない自宅に避難することを認めるようになってきています。

災害時、自らの命と健康を守るために頼れるのは、自助・共助・公助の順番です。

普段は遊び道具として楽しめて、避難場所としても活用できるキャンピングカーは、究極の「自助」かもしれません。

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